1月31日、ベトナムの Innovation Through Inclusionフォーラムで、パネリストは、ダイバーシティは素晴らしいが、企業はさらに先に進むべく、職場でのインクルージョンに注目する事が必要だと述べました。
共通の関心事をもつクラブや月次批評会では、異なるバックグラウンドをもつ従業員のために、職場でもっと一体感を生む方法が共有されました。KPMGの人材・能力・文化部門のディレクター、ポール・フィン氏は、ホーチミン市でのフォーラムに合わせ、Bloomberg Law に「ダイバーシティとインクルージョンには違いがあります。多国籍の人間を採用する事は簡単ですが、次のステップとして、毎日、一体感を生む為の努力が必要であり、そこが難しい部分です」と述べました。
長期的な見方
企業は従業員の多様性を長い間推奨してきました−業績向上から集団浅慮を回避することまで−しかし、ダイバーシティを長期的にとらえることで、インクルージョンの新しい傾向がその能力を発揮します。
LGBT市場に特化した事業開発企業、MB Market Makersが開催したフォーラムで、在ホーチミンアメリカ領事館の外交官のギー・マーガリス氏は「多様なグループを尊重する、というのが少々難しい部分であると考えています」と述べています。イベントは、女性と、障害や病気を持っている人、またレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー等のマイノリティに注目しています。
ベトナムは、LGBTに対して比較的平等な姿勢をとっています。アメリカやフィリピンのような保守主義の地域の影響は殆どなく、共産主義国は概して寛容であり、東南アジアにおいて同性愛結婚を許可する初めての国になるかもしれません。しかし、未だ摩擦はあります。会社がLGBT支援グループを開設した際、ベトナム人の同僚は、地方政府から追い出されるのではないかと心配していました。一党制の国は独立組織や組合に対して警戒を抱く傾向にあるので、別の同僚から匿名でグループの設立への感謝の言葉をもらうまで、懸念していました、とフィン氏は述べました。
「フレンドリーな職場」
他にもサポートする方法があります。 Intrepidのセールスチームリーダー、タン・フィン・ダン氏は、ハノイの旅行会社での初めての仕事をこう述べました。新しい上司が彼をコーヒーに連れ出し、同僚のいない場所でプライベートな事を話したければ、カフェを使おう、と言ってくれた、と。話を職場に戻すと、 Intrepidでは「今月の誕生日」というイベントがあり、お祝いをカジュアルな対話の機会として利用しています。スタッフが毎月話し合いたい話題を1−2つ選ぶのですが、ダン氏は、誰かが女性の権利についての話し合いを提案したことを思い出しました。スタッフが心に留めている問題を話し合い関わり合う場を提供するというアイデアです。
「フレンドリーな職場になるよう、積極的にジョークを飛ばし合います。ゼネラルマネージャーが近くに来たときでも冗談を交わせるような職場の雰囲気を作ろうとしています。」とBloomberg Lawに述べています。
法的手段
パネリストはフォーラムで、企業の就業規則に組み入れたり、共有価値を加えて取引先に依託するなど、インクルージョンを推奨する為の法的アプローチも掲げました。国際連合開発計画のアシスタントカントリーディレクター、キャサリン・フン氏は、ベトナムは、2019年までに従業員の多様性の保護を強化する内容を組んだ労働法典を受け取る予定だと述べました。「差別に関する規定を主張するには、もう1年程かかります」と彼女は述べました。